転生〜古代エジプトから蘇った考古学者
ジョナサン・コット


私たちが子供の頃に描いていた「幸せな生活」って何だろう?
海を見下ろす高台の上に豪邸、高級車に自家用機、ヨット、才色兼備の夫(妻)子供たち・・・ こういったモノが、一般アメリカ人の夢の生活なんだそうです。

おそらく日本だって、いや、世界中、みんな望むことは、似たり寄ったりでしょう。

多くの人たちは、そこまでのゴージャスな夢を実現できないまでも・・せっせと、それに向かって努力することでしょう。
一流大学に入ろうとしたり、せっせとお金を溜めてマイホームを購入したり、もちろん子供たちにも、 少しでもその路線を引いてあげようとするんだろうね。。。



この著者、ジョナサン・コットは有名なNY在住の作家でローリングストーン誌の編集者でもある人です。
この本は、ドロシー・イーディーというイングランド女性(1904〜1981年)の一生をドキュメンタリーで綴った内容です。
この人の人生が、どんなものだったかと言うと・・

ロンドンの裕福な家に育った娘が、1900年代初めのエジプトに渡って離婚して、たった一人の子供は夫のもとに預けられて、 一人になり、ずっと、掘立小屋で田舎暮らし。死んだときには、彼女の家族は数匹のネコとアヒル、ウサギしかいなかった・・

というようなお話(o_o ;)


なんだそりゃ〜((= ̄^ ̄=)

いやいや、彼女の人生の一面だけを見るならば、確かにそれだけの話なんですよ〜。

でも、別のサイドから見ればこんな幸せな人、他にいないんじゃないか!って思えるようなステキな人生を送った人の話です。
私は・・ため息が出るほど羨ましいと思いました。(←私は、かなり満たされない生活してるんだろーか?)

さて、このストーリーを話すと・・・

ロンドンの裕福な家に育ったドロシーは、3歳の時に頭を打ってから、猛烈な古代エジプトフリークになってしまう。
毎晩のように古代エジプトの夢を見るようになり、ある日、大英博物館のエジプトの展示を見た瞬間に、自分の本当の家は、ここだ!と認識してしまう。
つまり、彼女は、古代エジプト、セティ一世王朝時代の、貧しい巫女の生まれ変わりだったのだ。

しかも、その巫女は、セティ一世、つまり王様と恋仲になり妊娠してしまう。
もちろん、王様と言えど、神に使える巫女に触れただけで、それは大きなタブー。
結局、その巫女は、王様をかばって14歳の若さで自殺。王様は、彼女の死を悼み、また生涯、彼女を愛し続け、 死後3000年もの間、彼女の生まれ変わるのを待ち続けてさまよう。

ドロシーは、もちろん、非常に「困った子」「ヘンな子」として成長する。
当時のイギリスでは、キリスト教徒以外は異教徒のレッテルを張られるような中でさえ、 平然と「私は、古代エジプトの宗教を信じてる」と言い放つし、大英博物館に通いつめて、ヒエログリフを解読したり、 思う存分に、エジプトにどっぷり浸り続ける・・・ついに、エジプト人と結婚して、エジプトに住む。

ところが、妻としては最悪。
(エジプトの良き妻の条件:専業主婦、料理上手、マダムとして使用人たちの上に立って指揮すること)←ここらへん、英国調ですね〜。

ところが、料理最悪、使用人たちと仲良く同レベルで話すし、エジプトの遺跡研究に没頭して、うっかり子供のミルクも忘れるし〜
それで、やっぱり、離婚。

その後、当然のように、遺跡発掘チームに加わり、著名な学者たちのアシスタントとして働く。
そのうち、彼女の前世のゆかりの地、アビドス(当時はかなり田舎)に導かれるかのように、そこの神殿を拠点として働く。
高名な大学教授でも無ければ考古学者でも無いのに、彼女の豊富な知識と研究が、どれほど、遺跡研究に貢献したことか・・。

もうひとつ、彼女の隠された生活として、夜な夜な、セティ一世が現れ、共に楽しい夜を過ごしていたという事実。
二人の会話の中には、かなり驚くべき、エジプトの歴史を変えてしまうような会話も含まれている。
(セティ一世の霊によって、教科書とは違う別サイドから、エジプトの歴史が明かされてるのが、すごく面白い。)

・・・・・

まあ、こんな話です。
このストーリーを別の視点から見れば、「前世」と「カルマ」についての話でもあり、それを、また現実的な視点から見れば、 ただの「妄想」「虚言症」「統合失調症」の女の話となるのかもしれませんね・・。

ただ、私が、とっても気に入った点は、3つ。

●この本は、非常にニュートラルな視点で描かれてるって事。
前世やカルマを、まことしやかに語る、怪しげなスピリチュアル視点は全く感じられないし、事実そのままを語っているスタイル。

●ドロシーという、アイルランド系イギリス人の、天衣無縫で型破りな女の子がそのまま成長していく姿。
いかにも、アイルランド系の熱い血を感じる性格、一途さ、たくましさが魅力的だった事。

●古代エジプトの歴史、それも隠された真実を垣間見るような、ワクワクさせるもの。
事実、あんまり面白くて、エジプトの歴史をさんざん調べまくったほどです。
(ツタンカーメンの父アクエンアテンて、そんなダメ男だったのか〜とか。)

そして、何より感動的だったのは・・
なんて、彼女は、幸せで充実した一生だったんだろうって事。

3歳の時から、自分の心を捉えて離さないものを見つけ、まっしぐらし進み、 3000年もの昔から、自分を深く愛し続けていた恋人に夜な夜な密会、ずっと見守られてきた人生。
周囲が、どんなふうに彼女を批判したとしても、本人は、最高に充実して幸せな人生だったに違いないでしょうから。

オノ・ヨーコは、この本に、「オンム・セティの三千年の愛の強さを感じる魅惑的なラブストーリー」と賛辞を寄せたようです。
(オンム・セティというのは、ドロシーの息子、「セティの母(オンム)」というエジプト流の呼び方です。)←息子に愛する人の名前をつけてるんですね。
そうですよね、これって、また別のサイドから見れば、3000年をかけたラブストーリーでもあるんですね。

本当の幸せって・・「自分の道が見える事」と「自分を本当に愛してくれる人がそばにいること」なのかもしれませんね。
たとえ幽霊となってでも(*^-^*)

きっと、その2つを、手に入れてない人は未だに、 豪邸に高級車に自家用機・・現実的なステイタスなものだけが、幸せ・・と思ってしまうのかもしれませんね。
もしくは、いまだ・・「迷い」の中にいるのかも・・( ̄〜  ̄)

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